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ゆらのふなびと

競プロ, Python, C++

『ローゼンメイデン』5巻~その平穏が、かりそめと知っていても。

 

ローゼンメイデン 5 [2013年7月番組](初回特典:エンドカードピンナップ TALE6~9) [Blu-ray]

 
その平穏がかりそめと知っていても――
 
戦いの身代わりなんて 誰にもできない
 
こいつなら もしかして…
 

 

5巻は、まいた世界での日常回。いろいろあった後に日常シーンが来ると、好きが深まってるから一層楽しめるというか…そういう発見があった。
 
今回はかなりだらだら書きましたw(引用含めて11,000文字!)
 
 
 
 
「何をぼんやりしているのかしら? のり
 
皆が揃ったら言うことがあるんじゃなくて?
 
それが聞きたくてみんな ここに帰ってきたのだけれど」

 

「おかえりなさい」
 
旧7巻の
「待ってて」⇒「行ってらっしゃい ジュン」を思い出す。
 
待っていてくれる人がいる幸せ。
 
「もう一人いるでしょう? 私と同じくらいくんくんを愛してやまない子が
だからふたつ当てなければならないのよ
ケンカにならないためにもね」
雛苺…か…」
 
愛に溢れてる。ドールからドールへ。
 
「何か方法があるはずだ…
 
絶対に何か…
 
……
 
…諦めないからな」

 

諦めの閾値が上がったなあと思う。この時ジュンは既に「学校には行かない」と決意している訳だ。
ここで雛苺の「ヒナが起こしてあげるからね」が回想されている。今度はジュンが起こす番だ。
 
「ううん 許可をもらってない」
 
「マスター 僕に何か手伝えることない?」

 

蒼星石の使命感の強さ。より具体的に言うと、ドールとマスターとの関係に対して厳格。
これが、蒼星石が自分の運命(アリスゲーム)に向き合うスタイル。
 
「久しぶり
 
お帰りなさい……かな」

 

のりだけじゃなく、巴も「お帰りなさい」って言ってる。「桜田くんとまた教室で会いたい」とも。
待っていてくれる人は、たくさんいる。
 
「――前に柏葉が僕に言った事…
 
学校に また通えるようになろうって… そればかり必死になってた僕に
 
急に前ばかり見てる気がするって
 
僕…自分の事ばっかで周りが見えてなかったんだ
 
僕がもっとしっかりしてれば…
 
だから決めたんだ
 
僕…
 
学校には行かない!」
 
いやー極端だよ…。「雛苺を助けなければ」という意志や他者優先の気持ちはいいことだとは思うけど、学校もアリスゲームも、どっちもジュンが向き合うべきこと。
例えば、アリスゲーム一本に絞ったジュンが「なぜ学校に行かないの?」って聞かれたとして、「今はアリスゲームが大事だから」って答えるのか? と考えたら変な感じはやっぱりする。
「自分のことは後回し」っていいことのようだけど、”逃げ”と表裏一体なんだね。
 
 
(…ジュンくん… ごめんよ…
 
それは少しだけ…)
 
「…違うと思うな
 
ひとつの事で目の前がいっぱいになるんじゃ
 
前と同じじゃないのかな
 
それに…少なくとも私は
 
教室でまた桜田くんと会いたい…けど」

 

巴は正直な違和感を伝える。蒼星石も、「蒼星石が戻ってきたみたいに!(雛苺を取り戻すんだ!)」という言葉にジュンの優しさを感じながらも、同じ違和感を抱く。旧7巻の巴のセリフ(「急に遠くばかり見てる」)からそうだったけど、「一つ頑張ってるだけ」じゃいけないんだね。求められることは高いけど、自分がなすべきことなら、どれからも「目を背ける」のはアウトというか…。
旧7巻と違うのは、ジュンがここで「くそ…何だよ…」とはなっていないこと。これは成長の表れじゃないですかね。
 
 
「ううううう~~っ
 
そっそう そうですよチビ人間!
 
聞いてらんねーですっ
 
そんな言い訳にアリスゲームを使われちゃー乙女の名折れですっ
 
チビ苺だってそんなの望んでないですからっ
 
そっそりゃジュンなんかホントは ずーっと家の中にいればいいですけど…っ
 
そ…そうですよ ヒキコモリには翠星石たちのお世話という大事な仕事が…」
 
翠星石…貴女要するにどっちなの」
 
「うぅうう~っ」

 

ジュン大好きな翠星石にしてはよく言ったなーと思う(前半は)。「そんな言い訳にアリスゲーム(私たちの宿命)を使うな」とか、ズシっとくる。
「チビ苺だってそんなこと望んでない」という言い方…この後も翠星石は「おじじもそんなこと望んでない」っていうフレーズを使う。”もういない人”はそれを望んでいない、という考え方、よく出会う気がするのだけれど、果たしてこれにはどんな意味があるのだろうか。相手の立場に立てる翠星石の優しさだと言うこともできる。
後半は”お人形”らしい、というか翠星石らしい本音だ。
 
ジュン大好きというよりかは、自分の周りとのつながり(幸せ)が”ずっと”続いてほしいと願ってしまう、っていう性分。
真紅の考えでは、人形は「見守る側」だから、人間が「在りし日の人形遊びを忘れてゆく」ことと、「扉を開けて外へと出ていく」ことに耐えなきゃいけない。旧7巻で読んだときには一種の諦めのようにも感じたけど、これは「”胸の奥で生きる”ことを選ぶ強さ」なんじゃないか。人形っていうのは、人間の成長を見守る存在。人間にとって助けが必要なくなれば、その時は離れてあげなきゃいけない。でも、「本当に想いがつながっていれば/繋がっていられる…信じていられる」。だから、「貴方が覚えていてくれればいつだって、胸の奥にいる」。物理的にずっとそばにいられるわけではないけれど、「胸の奥」でなら生き続けられる。それが人形としての立場であり、向き合い方なんじゃないかと。
 
ちなみに巴は後に翠星石がから「泣きぼくろ人間」「通い妻きどり」などと呼ばれることにw
 
「…もしジュンが自分で決めたことだったら
 
翠星石も… ……だから…
 
 
やっぱりなんでもないですッ
 
チビ人間なんかずーーっとずーーっと自宅の警備に当たってやがれですこのヒキニート

 

翠星石の未熟さというか、可愛さというか…(笑)。
自分で選んだことなら応援してあげたいという気持ちと、でもやっぱり離れたくないという気持ちと。どっちも「相手が好き故の行為」であることに変わりはないのよ。そりゃ「”本当に”相手のことを思うならどっち」とか言われれば前者(見送る側)なんだろうけど、それでも「離れたくない」の中にある相手への想いはとってもキラキラしたものだと思う
そんなジュンと翠星石のやりとりを、蒼星石は微笑みながら鞄の中で聞いているわけだけどw
 
 
「…ホントにみっちゃんがいてくれて助かったよ…
 
…ありがとう」
 
「あっはは そんな大層じゃないけど はい」
 
「?」
 
仲間でしょ? これからもよろしくね」
 
「…うん!」

 

「ありがとう」なんて、ジュンも素直に言えるようになったんだなー。
「仲間」という言葉に対し、ジュンはここでは嬉しそうな顔をするし「うん!」と言っているのだけれど、
ちょっとあとには「へんなの」と言ってる。なぜ?
「仲間」の具体的な意味は、nのフィールドに閉じ込められていたころにメールでやりとりしていたという意味でもあり、
これからも、マスターとしてともにアリスゲームに立ち向かっていくという意味でもあり。(今回もアリスゲームについて相談するためにジュンはみっちゃんを呼んでいたようだし)
 
 
「こうして見てもわからない事だらけでさ…
 
どうしたらいいんだろ
 
早く前に進まなきゃいけないのに…
 
早く…」
 
 
「わっ」
 
目的はもう決まってるわけじゃない?
 
雛苺ちゃんを取り戻す事
 
……それに
 
今いる子達をちゃんと守ること!
 
じたばたしても始まらないわ
 
アリスゲームだって もう何百年も答えが出ていないんだもの
 
マスターはどっしりのんびりいきましょ?」

 

ジュンの焦りは…雪華綺晶の脅威から来るものだろう。今は静まっているとはいえ、いつ動き出すか…その前に雛苺を僕が救わないと…という気持ち。
「もう何百年も答えが出ていないんだもの/どっしりのんびりいきましょ?」というのは本当にいいスタンツだね。みっちゃんはなんでちょこちょこいいこと言うかなあ…斉藤さんにしろみっちゃんにしろだけど、そんなにメインでもないキャラが、結構いいこと言ってたりする。
それと、「雛苺を救わなくては」に隠れがちだったけど、「今いる子達を守ること」。これも大事だよね。一つの事に目が向きすぎてはダメというのをここでも痛感させられる。
 
「マスターの… ジュンくんの許しがないと
 
服を脱ぐのは…」

 

蒼星石wwww!!! もうこのシーンは飛び跳ねた。椅子に座ってられなかった。
 
 
「何の役にも立たない事とか
 
ハタから見たら無駄な事いっぱいするとか
 
コレ全部中学生のお仕事でしょ
 
仲間と遊ぶ…とかもね」
 
「仲間 かあ…」
 
(ヘンなの…)

 

この「ヘンなの」は一体何なんだろう?
1.自分に「仲間」(=みっちゃん)ができたことへの違和感(今まで「仲間」なんていなかったから)
2.違うドールのマスターなのに「仲間」(本来は争う相手)
3.忙しいのにめっちゃ仲間と遊ぶみっちゃんが不思議(→違和でない状態は何?)
4.仲間と遊ぶのがなぜ大事なの?
 
3と4とは排反じゃないな。未解決問題としてチェック。
 
「この館にはもう誰もいない…
 
それでも 夜ごと貴女がここへ足を運ぶ理由は何?
 
――薔薇さ
 
薔薇が呼ぶんだよ
 
庭師が手入れをしなくては 庭園はすぐ朽ちてしまう
 
それでは彼が戻った時 きっと悲しむから…

 

「庭師が手入れをしなくては」っていうのは、「ドール」に留まらない自分の「庭師」としての立場ゆえの使命感というか。
「彼が戻った時」という表現から、蒼星石が元マスターの一葉を取り戻そうと決意しているのが伝わってくる。
 
「―――…
 
…なさい…
 
僕に関わったばっかりに…
 
けれど…必ず…」
 
「……」
 
「この僕の胸の中のローザミスティカは時間制限つきだ
 
いずれ水銀燈に返さなきゃならない
 
――けれど それまでには
 
必ず――…」
 
 
「まったく 義理堅い貴女らしいわ
 
水銀燈が どこでどうしているかわからない今…
 
そして この束の間の平穏を味わってしまった今も
 
あてもない約束を果たす気でいる
 
貴女なら きっとそういうと思っていたわ
 
けれど
 
翠星石はどうかしらね?
 
「…翠星石…」

 

「僕に関わったばっかりに」⇒こういう「自分のせいで」っていう捉え方はよくあるけど、なんなんだろう。自分を責めても仕方ないって思うんだけどな。蒼星石が言うと決意がかっこいいからいいんだけど(笑)
 
「僕のローザミスティカは時間制限つきだ」ってのもホントかっこいい。そもそも水銀燈に自分から渡すと決めたのは他ならぬ蒼星石であって。一度救われても二度と救いを乞わないのは、蒼星石「けじめ」なんだろう。自分はすでにアリスゲームを自らの意志で降りた、その自分がここにいるのはおかしい。でも今時間が与えられている以上はマスターのために行動するんだ…徹底的に厳格であり、他者優先なんだよね。
 
ちなみに「必ず…」のところで、胸の前でぎゅっと手を握る蒼星石が……かわいい。
 

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真紅がここで「翠星石はどうかしらね?」と。さっきは「もういない人」と言ったけど、ここでも「その場にいない人」の意志を考慮している、という点では同じ。これはなんだろう…ドール同士、思いあってるんだなあと感じるし、真紅はそれが特に深いと感じるのであるが。もっと一般的な話として気になってしまったりする。。。
 
 
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「仕方ないです 酵母菌の朝は早いのです」
 
「さぁ 今すぐ食べて焼きたての焼きたてたるアドバンテージを確立するですぅ」
 
「さあさあどうです特製クロワッサンのお味は…具体的に生地の何層目あたりがうまいです?」

 

ここの翠星石、うざかわいくて好きw 言葉遣いが面白い。人と話しても、人によって使う言葉が違ってへぇーってなることがあるけど、こんな言い方もあるのか! っていうのを知れるのはやっぱり楽しい。
 
そしてこの翠星石のはしゃぎっぷりはどこから来るかと言うと…
 
「なんだかご機嫌ね 翠星石
 
「そりゃそうです!
 
翠星石たちにとっては やっともとの日常に戻ったという感じですからね
 
みんなと一緒で 大好きな蒼星石がいて
 
翠星石は……嬉しいのです
 
≪――翠星石はどうかしらね?
 
水銀燈の真意はわからないわ…
 
けれどあの子は
 
翠星石は少なくとももう貴女がローザミスティカを返すことはないと思っているのでしょう
 
翠星石は争いを嫌う子
 
ひとが善を見せれば信じようとして 疑うことを放棄する
 
それがあの子なりの平穏を守る術なのでしょう
 
たとえ
 
その平穏がかりそめと知っていても…

 

「みんなと一緒にいられれば、それだけでいい…」そんな翠星石の悲痛な声が聞こえてきそうな。
 
翠星石は、蒼星石はもうローザミスティカを返さないと思っているんだろうか? 心のどこかで「きっといつか」と気づいているからこそ、そこから目を背けているんじゃないか?(ずっとそばにいて蒼星石の性格を分かってるんだから、一度助かったくらいで折れる蒼星石だとは思えないのでは)
 
この翠星石の生き方はなあ…つらいよなあ…。
未来のことなんか考えず今の幸せにひたすら浸るっていうのは、幸せを最大化する上ではいいのかもしれない。でもそれだと、現実から目を背けることになってしまう…結局「その場しのぎ」でしかないってことか。
この真紅の指摘を聞くと、この翠星石の無邪気な笑顔が、途端に儚く思えてしまう…。
 

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ちょっと…いいかな」
 
「あっあとにするですよ 翠星石は今手が離せないです
 
コンフィチュールの苺を煮詰める重大なミッションの真っ最中ですからね
 
それに おやつのベーグルもそろそろ仕込まなくちゃですし
 
はぁ いそがしいいそがしいです~」

 

おじいさんのこと話そうとする蒼星石を、翠星石は忙しいと誤魔化す。きっと翠星石も、蒼星石の意志には気づいていたのだろう。だからこそ話しかけられた途端に忙しい理由を並べる(ちょっと細かいけど、「それに おやつのベーグルも…」で「それに」の後にスペースがあるのが、とりあえず「それに」って言って後から理由を付けた、って感じがする)。幸せな今を、崩したくないから…。
 
僕も手伝おうか」
 
「あ…
 
じゃ じゃあ おナベを見ててくれると助かるですぅ」
 
 
翠星石…」
 
「ベーグルの命はこの捏ねにかかっているですからね
 
お父様のカタキがごとくっ 捏ねまくるですっ
 
生地の弾力が出るまで全身全霊で……」
 
「僕の元マスターのこと… 覚えている?」
 
 
「今ね…ずっと眠ったままなんだって」
 
「………
 
…知ってるですよ 見つけたのは翠星石ですから」
 
「…そう
 
雪華綺晶に捕らわれてるあの人を放ってはおけない
 
僕の言ってる事 わかるよね」
 
「…… …はいです
 
…けど…けど 翠星石は…
 
もうこれ以上 蒼星石に痛い思いも苦しい思いもさせたくないです
 
たとえアリスゲームから逃れられないとしても…」
 
蒼星石は、翠星石の言葉をさえぎってでも言い出す辺りが律儀と言うか。向き合うべきことにはきちんと向き合わないとっていう。でも、「僕の言ってる事わかるよね」というその顔は、やっぱり淋しそうだ。翠星石に辛い思いをさせてしまうな…って。
 

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「翠…」
 
「おじじだってきっと同じ気持ちです」
 
「…!
 
おじじって…もしかして僕の元マスターの…?」
 
「そうですよ!
 
蒼星石の眠ってる間 翠星石は何度もおじじの所に茶しばきに行ってやったんです」
 
「君が?」
 
「大嫌いでしたけど 仲直りしてやったです
 
いろんな話したですよ
 
蒼星石の事 ずっと気にかけていたですよ
 
…だから翠星石は…
 
蒼星石に痛い思いをさせたくない…
 
させるくらいなら 翠星石が肩代わりしてやるですよ
 
双子ですからね」
 
「おじじだってきっと同じ気持ちです」>さあここでもいない人の気持ちが登場。ただ今回は翠星石の都合の良さのような気もする。「翠…」をさえぎって言ってるあたりが、ちょっと慌ててる感じがするんだ。
 
蒼星石に痛い思いをさせたくない…」って気持ちは蒼星石を思うが故だけど、蒼星石の求めているものはそれではないんだよなあ。蒼星石が運命と向き合う事を徹底的に志向する一方で、翠星石は今の幸せを大事にしたい。翠星石の気持ちも、とっても優しいものだとは思うのだけれど。「翠星石が肩代わりしてやるですよ 双子ですからね」ってのも、双子の姉としての誇りというか、優しさというかを感じる。感じる…けど…
 
「――うそです
 
ほんとはね…わかってるですよ
 
戦いの身代わりなんて誰にもできないって」
 
「…ほんとは…誰もがみんな…
 
自分だけの戦いを…」
 
「…そうです」

 

闘うことって、生きる事でしょう?
 
言葉にしない悲しみは、
自分で乗り越えてゆくしかないのです
 
蒼星石にも…ジュンにだってきっと」
 
「ジュンくん?」
 
「もうじき きっとジュンは外に出るです
 
お部屋の中の安全なところにはもういなくなるでしょう


――きっとこれって翠星石が子供なだけなんでしょうね
 
ジュンにも蒼星石にも ずっとずっとこのおうちの中にいてほしい
 
…だって…
 
翠星石はお人形ですもの
 
成長した子供はお人形遊びをやめて
 
扉の向こうに駆けていくものなのですね
 
――それはわかってるんです
 
お人形が成長してはあべこべですもの
 
――だから今だけ…
 
ゆるしてくださいです
 
もうちょっとだけ…」

 

誰もがみんな、自分だけの戦いを抱えている。蒼星石やジュンに、向き合わなければいけないことがあるのはわかる。彼らが自分で選んだことなら、応援してあげようという気持ちもある。でもやっぱりそばにいたい。翠星石は、蒼星石やジュンのことが大好きだから…。
 
わかってるんです、だから、もう少しだけ――ああ~、なんて辛いんだろう。気持ちは痛いほどわかる。でもここで翠星石に優しくしてあげるのは果たして彼女のためになるのだろうか。人形には、見送ってあげなきゃいけないときもある。その運命は、アリスゲームは、逃れられないものなんじゃないか…。
 
翠星石
 
優しい子… けれど困った子
 
姉妹の中で もしかして貴女が一番人形としての本質を備えているのかもしれないわ
 
けれどそれは…
 
「人形としての本質」ってなんだろう? 相手を想う気持ち、ずっとそばにいたいと思う気持ち…。
「けれどそれは」…?
 
翠星石の「ずっとこのおうちの中にいてほしい」という気持ちは、優しさゆえだけど、雛苺が巴に依存したのに似ているとも言える。結局「”自分の”幸せ”を守りたい」になっちゃってるというか…それが真紅の危惧するところなのかしら。
 
少なくとも、今の翠星石「一人で歩ける強さ」はない…だろうな。
 
 
(鍋を見つめて焦がしちゃう蒼星石かわいいw)
 
 
そしてこの直後、ジュンが11:00にネットをやめて勉強を始めるシーンがあるんだけど、その時翠星石が鞄の中で起きてるんだよね。11:00だよ!?普段は9:00に寝るローゼンメイデンが。そのくらい翠星石はジュンの事が好きなんだっていうのがわかるし、それゆえに「もうちょっとだけ――」という言葉にも優しくしてあげたくなってしまう。でも……ああ!!
 
 
めぐはなんで快復したんだろう? 「何かから養分を吸い取ったみたいだ」という表現が気になるし、めぐが持っていた人形がまかなかった世界のジュンが帰ってから渡されたのと同じ雪華綺晶の人形だったことも気になる。雪華綺晶がめぐに養分を与えている?
しかもめぐの父の呼び方が「お父様」になっている。前は「パパ」だったのに…(雪華綺晶がめぐの本体??)
そして、水銀燈の行方は? 雪華綺晶の罠にはまった?
 
 
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ジュンは結局学校に行くことにした。来週から行くから、予行演習として図書館に…なんて言ってる。
翠星石たちはおじいさんの家にいってるから家には真紅一人になるんだけど、いっちょまえに心配とかしちゃうわけね。「本当にお前一人で大丈夫か? 何かあったら…えーと」なんて。のりじゃんw
 
「大丈夫よ いくつだと思ってるの」「いくつなんだよ」>確かに気になるw
 
さっさと出て行ってしまうジュン。「残念…いってらっしゃいのキスでもしてあげようと思ったのに…」>!?
 
だらだらモードの真紅。この回は蒼星石といい真紅といい意外な一面を見せる。
 

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(下の抱かれてるくんくんになりたい)
 
 
ここの真紅の声想像したらwww
 

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猫にたじろぐ真紅。背丈的に、やっぱりドールってちっちゃいんだなー…と思ったり。
 

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実はこの猫が、雛苺が昔乗って手紙を出しに行ったときの猫だったり。TALE30「乙女の休息」はまさに日常回という感じでした。
 
 
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蒼星石またwww 若干ギャグキャラになってきてるのだめでしょww
 
 
ジュンは図書館で勉強中。蔵書検索をしていたら隣に同じ中学の生徒が。検索画面に「ローゼンメイデ…」と打っているのを見て思わずお茶をこぼす。制服にかけちゃって、何かお詫びを…と言ったらなぜがふたりでマクドナルド(のパロディ)に行くことに。ジュンは緊張するも、久しぶりの”中学生っぽい”会話に触れる。
 
「僕だって昔は…あのままだったら…」
 
そう思ってしまうことは避けられないんだろうな。ジュンの今の意識は外に向いているから、大丈夫だとは思うけど。
 
「もしかして 桜田くん?」
 
気づかれてしまう。よみがえる過去、高鳴る鼓動。
 
 
一方ジュン宅(庭)では――
 
 
「もーーやめやめやめっ
 
何をのんきにフツーの茶呑み話してるですか
 
今日の主旨を忘れたですか!?
 
これは会議!
 
秘密会議なんですからーーっ!!」
 
「そうだった… 忘れてはいけないね
 
僕たちは今も
 
アリスゲームの只中にいるという事を…」
 
あれほど戦い嫌いな翠星石が、自分から主旨を思い出させているところが、おっ、と思う。何か心境の変化が?
 
こいつらは、どんなに幸せな日常の裏にも「アリスゲーム」という宿命を抱えてるんだよなあ…それってすごく大きなことで…ちっぽけな自分には想像もつかない。
 
雪華綺晶は人形よりもマスターを狙うわ…
 
オーディル・フォッセーと結菱老人が囚われているのは知っての通りよ…
 
今は動けずにいる あの末妹が次に狙うとしたら…それは私たちのマスター
 
ジュンやみっちゃんさんかもしれない…
 
私たちはマスターを守らなければならないわ

 

ジュンやみっちゃんはドールたちを守ろうとし、ドールたちはマスターを守ろうとしている…もうなんだよこの絆! お互いがお互いを想いあってる。想いが”行きかってる”…それがの条件でもあるように思えてきて。
 
「僕も…今のマスターも前のマスターも…両方救いたい…」
 
「確かに私たちはアリスゲームを戦う敵同士よ…けれど
 
この目的のためだけにおいては
 
同志とも言えるのではないかしら」

 

マスターを(ドール以外を)巻き込んではならない、という真紅のスタンツゆえの発言では。
 
「そ…そうですよっ!
 
バラバラで太刀打ちできるほど雪華綺晶はあまくないですっ
 
マスターを守るためには協力しないと! です!
 
共闘です…共闘ですよ!
 
気高き薔薇乙女の名に懸けて…互いのローザミスティカにかけて
 
お互いの危機には手を差し伸べあうと誓うです…!」
 
急に元気になる翠星石。今まではみんな大切な姉妹だから闘いたくなかったんだろうけど、姉妹の中に雪華綺晶という敵が表れたことで、雪華綺晶とだけだったら闘うことにも積極的になれるようになったという面はあると思う。大切な他の6体は「共闘」するんだからね。
 
結局4体のドールはここで手を合わせて誓いを立てる。金糸雀だけちょっとためらったんだけど、その理由は後に明かされる。
 
 
ジュンの話に戻る。
 
あの桜田くんなんだよね?」
 
≪なんでだよ
 
なんでこのタイミングでわざわざ僕のこと覚えてる奴に…
 
せっかく… これからやっと
 
なのに なんで≫
 
「うん そう
 
その桜田…」

 

上ろうとしていた階段から、冷たく蹴落とされたような絶望に襲われるジュンだが…
 
実はこの鳥海皆人は親がジュンのとこと同じ古物商で、それで桜田の名を知っていたと(業界では有名らしい)。それで「親が古物商」トークで盛り上がったりする(なんてニッチなw)
 
で、この皆人がちょっと深いこと言ったり。
 
「ほら…あの文化祭のドレスのデザイン画
 
めちゃくちゃ感動したし
 
実はちょっと 嫉妬もしたな…
 
 
俺はさ 人形を集めることはできても 作り出すことはできない
 
それって片思いなんだよ」
 
「片思い…?」
 
「そう…でも君は両想い
 
創作を通じて対象と触れ合っているから
 
俺にもあんな芸術の才能があったら
 
きっと眺めてるだけじゃなくて…ってさ
 
あーやっぱり羨ましいな 相思相愛
 
創れるのはいいな」
 
芸術って、どうしても才能ってものには左右されるんだよね。例えば、自分も音楽作りたいと思ったことあったけど結局やりきれなかったし(楽器経験ほぼなしからのスタートだから…もっと根気と熱意があれば、そういう人でもできるんだろうけど)。だから、「愛する事しかできない人」は出てきてしまう。自分と音楽、自分と物語の関係もそうだろうか。ならせめて、精一杯愛してやりたいな…。
 
 
皆人とこんな話をしていたら、ジュンの心が開けてきた。
 
こいつなら もしかしたら
 
わかってくれるかも…

 

これは今までのジュンを考えると実はとんでもない発展。だって今までは「境界線」を勝手に引いてたわけだ。自分と世界、自分と他者との間に。「僕の側の人間なんていない」って。それが、今日会ったばっかりの人間に対して開けたんだよ!?!?! これはすごい。こういう存在って突拍子もなく表れるもんなんだなって(っていうと「きっかけ待ち人間」になっちゃいそうだけど、というよりかは、「楽観的」でいいよねっていうくらいの)。
 
 
で、なんとジュンは皆人にローゼンメイデンのことを話す。え、これは大丈夫なのか? まあ皆人はローゼンメイデンが本当に動くとは思ってないかもしれないけど…
 
「わかってくれるかも」という表現も気になるな。ジュンはずっとアリスゲームのことを誰かに相談したかった? 確かにローゼンメイデンアリスゲームも特殊な状況であって、事情を知っているのり、みっちゃん、巴とくらいしか話せない。つまり一番身近な「同級生の男子」ってのがいなかったんだ(これはひきこもってた間もずっとそうだが)。だからこそ、ジュンは嬉しかったんじゃないか? 「僕のことなんて受け入れてくれない」と絶望していた学校の中に、こんなにもいい奴がいたなんて…しかもこいつならローゼンメイデンの事を話しても…と。
 
 
金糸雀の迷い。
 
「誓い…誓いね…
 
ねぇ ピチカート
 
確かに…マスターは大切かしら ずっと守ってあげたいわ
 
でも…
 
そもそもマスターを何のために持つかって言ったら…
 
アリスゲーム…そう…そうよねピチカート
 
私たち薔薇乙女の本分と言ったら
 
アリスゲームなのかしら
 
……
 
こんな時 あの子ならなんて言うかしら
 
水銀燈が今ここにいたとしたら…≫
 
「…ピチカート…
 
ねえ ピチカート
 
私たち……これでいいのかしら
 
いつまで こうしていられるかしら…」

 

今まであまりアリスゲームに対する態度が表れてくることのなかった金糸雀。彼女が一番、立場を決めきれずにいるのかもしれない。
 
どっちかと言えば「闘わなくては」よりかな? もともと「潜入」とか「ローザミスティカ頂きかしら」とか言ってたわけだし(もはやギャグだけどw)。金糸雀からすると、今の仲のよさは「惰性」に見えてしまう。このままじゃダメなんじゃないか…って思ってる。
 
水銀燈の名前をここで出してきたのは意外。水銀燈はある意味アリスゲームを素直に生きてるものね。
 
金糸雀は、アリスゲームという大きすぎる宿命の前に、自分の立場を選べずにいる…って感じです。
 
 
そんな金糸雀の揺れる心と、
 
びっくりした…
 
あんなイイ反応もらえるなんて
 
一気にあんな仲良いっぽくなるなんて…
 
下の名前で呼ばれるの 中学入って初めて かも
 
…なんか… 僕…
 
普通っぽい…かな
 
…うん このままいけば
 
月曜日になったら ちゃんと――…

 

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ジュンの希望的観測とで5巻は幕を閉じます。
 
「仲良い”っぽく”」という表現にまだ自信のなさがにじみ出てるけどねw
「普通っぽい」という表現もちょっと気になる。もちろん最初から変人を目指しても仕方ないんだけど…まあ、まずは「元に戻る」っていうハードルからか。
 
 
 
 
おしまい!