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ゆらのふなびと

競プロ, Python, C++

♪三千世界/幽閉サテライト ~人は独りでは立てない

歌詞 東方Vocal

 



人は独りでは立っていられない

 

それは誰もが抱える、同じ弱さ

 

だから、つながりが必要ーー

 

 

♪三千世界/幽閉サテライト

 

原曲:少女が見た日本の原風景

作詞:かませ虎

編曲:Iceon

歌:senya

 

過去の過ちを恥じる 朽ちゆく僕に

見守る君が笑う 三千世界

 

 『三千世界』は、「僕」がいきなり朽ちゆくところから始まる。彼は過去の過ちーー一人だけで高みに上ろうとし、つながりを軽視してきたことを恥じている。でも、それに気づいたからこそ、つながりの重要さを実感したからこそ、朽ちゆく今、隣には見守って笑ってくれる「君」がいる。

 

手を取り合うことなどは

頂に着くためには不要と

天に輝く唯一となる己に憧れた

 

 若き日の彼は、たった一人の輝く存在になりたいと望んだ。誰の助けがなくとも強く立ち続ける、誰よりも高い、特別な存在。彼はひたすらその高みを目指した。周りとのつながりなど省みずに。

 

過信した魂はいつか

全身を知らぬ孤独で震わす

 

 しかし人間は誰しも、たった一人では立っていられない。周囲とのつながりは生きていく上で、自分を保つ上で不可欠だ。彼はそこを過信してしまった。自分は一人で強く立てる、誰の助けも借りず特別になれるのだと。目標に向け邁進している間はいいが、必ず限界はやってくる。たった一人で突き進んできて、気づいたら周りには誰もいない。そのとき、感じたこともないような孤独が彼を襲うだろう。

 

地を見下ろし 性隠し

強さを叫び

身にまとった誇りを

魅せつけたのさ

けれど僅かな虚しさ

半端な自信

己の小ささ知る

三千世界

 

 自分だけ高いところにいるような気になって、世界を、他の人を見下ろす。自分はつながりなんてなくてもやっていけるんだと虚勢を張り、自分を誇示する。それで彼を認めてくれた人もいたかもしれない。しかし「手を取り合うことは不要」と自分から他者を切り捨てている彼に、身近な存在などいない。だから結局虚しさを拭うことはできず、自分の「強さ」というのも不安定なものなのだと知る。自分もちっぽけな存在にすぎなかったのだ。この広い三千世界に比べてみれば。

 

両手を天に広げた

無責任な無限を身に抱いた

届かぬ故に美を嗜める

小さな僕がいた

 

 最初の2行はわからない(笑)。ただ、1番で自分の小ささを自覚した彼が、「天」(=世界)という大きな存在に対して畏敬を抱いていることは確か。どこまでも高く澄む天は美しい。しかしその高さと広さに、たった一人の人間が敵うはずがない。自分はそれに「なれない」、という思い故に美しさを感じられるのだと悟る。

 確かに自分がダイヤモンドだったら、別にダイヤモンドの女の子みんなに惚れるわけではないよなと思う(?)。

 「届かぬ故に」…彼が「天に輝く唯一となる己」に憧れたのも、それが「届かない」ものだったからなのかもしれない。というか、「天に輝く唯一となる己」なんてものには「届かない」というのを今自覚したのかもしれない。

 じゃあ、「天に輝く唯一となる己」に憧れてしまったのはなぜなのか。

 

答えなど分かりきっていた

ここにいる それを認めて欲しくて…

 

 彼は自分の弱さを自覚し、ここで吐露する。特別になって、認められたかったのだ。結局彼が求めていたものも「つながり」に他ならなかった。だったら最初っからみんなとなかよくやる方が楽だろうにね。どうしてそんなことも、わからなくなってしまうんだろうねーー。

 

気高き空 高らかに

弱さを叫び

身に纏った誇りを

捨ててしまおう

欲を認め 業と知り

裸になれば

皆同じ眺めさ

三千世界(※)

 

 サビの前半は1番と対になっている。1番では地を見下ろしていた彼が、今では地に足をつけて空を見上げている。その空に向かって叫ぶのは強さではなく弱さ。虚飾の誇りなんてもういらない。「認められたい」「一人はいや」それは人間の本質であり、恥ずべきことではない。だからその気持ちを抑え込もうとする方が不毛で。人の性として、自分もまた例外ではないのだと認めることができれば。みんな同じ弱さを抱えた存在なのだ。その弱い人間同士がつながりあって、お互いを補っていく。

 

僕らは既に持っていたんだ

小細工ばかり覚えてきたけれど

「言葉」ならば胸の奥 それがすべてさ

 

 じゃあ、人間が求めて止まないその「つながり」というものをどうやって得るか。それは別に、話術とか、相手をいい気分にさせるとか、そういうテクニック的な問題ではない。繋がりを求める気持ちが人間に元からあるのと同様に、相手を思いやる気持ちも、また内在している。だから、相手を大切にして、手段なんかに頼らずに自分の胸から言葉を紡ぐことさえできたらーー僕らはもともと持っているものだけで、ちゃんと繋がりあえるはずだ。

 

(※繰り返し)

 

どうか君よ泣かないで この身朽ちても

魂はここにある

三千世界

 

 彼は過去の過ちからつながりの大切さを実感した。だからこそ、朽ちゆく今になっても「君」を気遣っている。この身が朽ちても、魂はここで、君とつながり続けるーーそう言って彼は、この三千世界を去っていった。

 

 

 

 

 

おまけ

 

「人は一人では立っていられない。つながりによって安定する」のイメージ図

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 早苗さん

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 早苗さんは東方キャラの中で割と好きです。