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ゆらのふなびと

競プロ, Python, C++

『監視官 常守朱』 1,2巻 感想

マンガ アニメ 『PSYCHO-PASS』

監視官 常守朱 1 (ジャンプコミックス)

 

 今回のGW帰省で得た一番の収穫は、妹がこいつを持っていたことでした。でかした!たぶん世界中の兄の中で100番代に入るくらいには妹に感謝してるよ今。

 

 4巻までしか出てないのでアニメ1期でいうと15話くらいまでですが。気になった&今後考えていきたい点を書いておきます。

 

 

朱の価値感

 1巻冒頭で槙島は、『1984年』の「思考犯罪がすなわち死だ」というフレーズを引用する。次いで#01「犯罪係数」の初め、宜野座の取り調べシーンでは「あなたの過去は問題ではない その心に潜む未来の可能性が裁かれただけのこと」と言っている。こいつらが示すのは、シビュラが「罪を”犯しうる者”を裁くシステム」だということだろう。その人が罪を犯したかどうかではなく、「犯しそうかどうか」で判断し、「犯しそう」となったらもはや救済の余地は与えない。

 朱の態度はこのシビュラの特質に真っ向から反対する。最初の事件で、人質の女の犯罪係数はサイコハザードにより上昇する。パラライザーの範囲なので麻痺させて連れ帰ればいいだけだし、狡噛もそうしようとする。でも朱は許さない。

 

だからって何もしてない被害者を撃つなんて

そんなの納得できません!!

 

 そして狡噛をドミネーターで止める。

 朱は、人間の「変わりうる可能性」を信じ、手を差し伸べようとしているように思える。簡単に言えば性善説。「罪を犯しそう」だけでは区別しない。これは2巻#04の

次のセリフにも表れている。

 

少なくとも私は 「潜在犯だから」という理由で人を侮蔑したりはしたくない

あなたたちは 私の大切な同僚です

 

 で、書いてて気付いたけど、これは朱がシビュラの価値観を盲信していないということ。

 

≪私の正義は私が決める≫

撃たないで下さい 彼はこのまま保護します

 

 ただし、一度罪を犯した人間に対する態度は非常に厳しい。

 

……鉢合わせしたら 殺すんですよね

 

 この台詞からして、朱は決して「ただのいい人」ではないということが伺える。シビュラとは違う「自分の正義」を持っていて、それに対して厳格に行動しているのだということ。

 

 じゃあ、「朱の正義」とは何か? シビュラを盲信しないということを裏返せば、「自分の目で確かめたことを信じる」ということかもしれない。これで罪を犯した人=確定した悪 に対する厳格さも説明できるか。

 

 朱の正義感については、シビュラの正体が明らかになった時にも印象的な言葉があったので、そこは続刊かノベライズで検証するとしよう。

 

 

適した人生 VS 選んだ人生

 本編とはそれるんだけど、シビュラに絡んで考えたいなーと思ったので。適性に応じて選んでもらえるのがいいか、自分で選べるのがいいかという話。

 

成しうるものが為すべきを為す

これこそシビュラが人生にもたらした恩寵である

 

 シビュラは「自分に向いていること」(≒自分にしかできないこと)は教えてくれるが、「自分で選ぶ」という側面は皆無だ。だからこそ、シビュラの「適性診断」という側面の是非は、「適した人生」と「選んだ人生」のどちらに価値を見るかで決まってくる。

(自分で「選ばない」という側面について、4巻の局長は、「人は悩むより先にシビュラに頼る/それにより葛藤なく幸福な生活を送れる」とまで言っている。)

 

 では「自分に向いていることを教えてもらえる人生」と「自分で選ぶ人生」、果たしてどちらがいいのか?

 

 結局のところ、「バランスの問題」としか言えない。ただ、不可欠なのは「自分で選ぶ」方ではないだろうか。

 

 仮にシビュラのように大規模な職業適正診断システムができたとしよう。それで社会の誰もがその判断に基づいて職業に就くとしても、「やっぱりこれが私の天職だシビュラひゃっほう!!」となる人は少ないのではないかと思うのだ。

 

 原因は「人間は一回しか生きられない」というところにある。たとえ「シビュラが選んでくれた」という箔がついていたとしても、自分は他の職業を体験していないのだから経験に基づいた比較ができない。そうしたら、よっぽど自分から目の前の環境に飛び込んで行ける人でない限り「もっと自分に向いていることがあるんじゃないのか…」と思ってしまうのではないか(この疑問の誘発は職業の貴賤に依存しない)。

 

 いいバランスは、「他人(システム)の意見を参考にしつつ、最終的には自分で決める」という形だろうな。やはり「自分が選んだ」という実感が与えるものは大きいのかなあと思う。

 

 「人間は1回しか生きられない(1つの職業しか選べない)」という部分は、「就業シミュレーション」的なものができれば解決できるかもしれない。高校生の職場体験とか大学生のインターンシップみたいな真似事じゃなくて、リアルに近い環境を1週間くらい仮想現実で体験してみるとか。イギリスでいうところのギャップイヤー的なものを就職前に設けてそこでいろいろシミュレーションして確かめよう!とかでもいいかもね(たった1週間で分かるのかとか、そんなに仮想に浸したら使えない人間が増えるだろうとか、そういう面はあるけど)。

 

 まあ朱は、「シビュラが選んでくれる」という世の中にありながら全部適正出ちゃったが故に自分で選ばざるを得なかったんだよね。だから1人しか選ばれなかった公安局の仕事を「自分にしかできない仕事」として求める訳だし、シビュラに「もともとはじかれた」側の縢は反発するよね。

 

 そう、シビュラのように犯罪係数と合わせて適正診断するようなシステムだと、「はじかれる人間」っていうのが出てきてしまうんだよな。4巻のヘルメット暴動の仕手にはそういう人間もいた訳だし。だから適性診断をするんだったら、「その人内部の比較で」向いているものを示す、って形が妥当……かな。

 

 

 

 最近2000字くらい書かないと書いた気がしなくなってきた……良い兆候なのか悪い兆候なのか。時間は有り余ってるし、楽しいからいいのだけれど。

 

 

 

追加

 アニメでは気づかなかった(というかなかった?)けど、公安局に入る前の、ちょっと髪の長い朱ちゃん

 

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 めっちゃかわいい。