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ゆらのふなびと

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『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)』1

 ノーベル賞物理学者ファインマンの自伝的エピソード集。好奇心旺盛でいたずら好きなエピソードの数々が軽快に繰り出される。

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

 有名なこの本のタイトルだが、これは格式高いプリンストン大学の院生だった時代にに院長夫人に言われたもの。「お茶にはレモンを入れましょうか、それともクリームがよろしいですか?」との問いに対して「はい、両方いただきます」と返してしまったのだ。

 印象的だったエピソード・メッセージをまとめようと思う。長くなってしまうので、何回かに分けることにする。

「ここの大学院には、いれないよ」

 ファインマンはもともとMITの学生だった。彼はこの大学を非常に気に入っており、科学では全国一、こんないいところは他にないと思っていたという。ところがその考えを教授に話したところ、教授に上のように言われてしまったのである。そうしてファインマンは、皆で揃ってガウンを羽織って夕食を取るような優雅なプリンストンに行くことになったわけだ。

 ファインマンが考えを変えるきっかけになったのは、プリンストンサイクロトロン(イオン加速器)を見たことだった。MITでは一つの部屋にサイクロトロンがどんと置かれていて、隣りにコントロール室が設けられていた。プリンストンはMITよりもサイクトロンを使った成果を多く出していたから、彼は実物を見るのを楽しみにしていたのだ。しかしプリンストンサイクロトロンは小さな地下室に詰め込まれたものだった。MITの金ぴかとは違い、真空装置の修理に使う液が床のあちこちに垂れているほどだった。

 それを見て、彼はなぜプリンストンが成果をどんどん出せるのかがわかったという。彼らは自分の手で作り上げた装置で研究しているのだ。だから研究者たちは仕組みをよくわかっている。

 MITは確かにすばらしかった。しかしスレーター教授が僕に他校の大学院を薦めたのは賢明だったと思う。そして僕もやっぱり同じことを学生たちに忠告している。若者はすべからく広い世界に出て、外を見てくることだ。事物の多様性を知ることは大切なことだからだ。

  私は現在学部生で、大学院はそのまま自分の大学の院を受ける予定だったが、選択肢として考えようと思い調べ始めている。高校時代の友人も頼ってみようか、というところだ。

 

 今日は個人的にタイムリーだったのでこのテーマにしたが、次はファインマンの好奇心や人柄がわかるようなテーマにしたいと思う。